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現在、国内にはiPhone修理を行っている店が1,700ほどあるようです。その多くはフランチャイズチェーン店ですね。
今、このページをお読みになっているみなさんの多くは、iPhoneが故障していたり、画面が割れたりしていて、修理を検討されているのだと思います。そして、いくつかの修理チェーンのホームページを見て、修理料金にかなりの差があることに戸惑っておられるのではないかと思います。
そういうみなさんのご参考になればと、修理料金の裏側について少しご紹介させていただきます。
修理店にかかるコスト
- 修理部材の仕入コスト
- 店舗の賃料や光熱費など
- 修理スタッフの人件費
- 広告宣伝費
- その他(フランチャイズのライセンス費用、システム構築・運用費、登録修理業者に係る費用など)
大まかに書くとこんな感じでしょうか。修理店だからといって特別なものはあまりないですね。登録修理業者であれば検査費用などが発生しますが、まだまだ登録修理業者は少ないので、多くの修理チェーンでは発生していないコストです。
2以降のコストは基本的に「修理件数が増えるほど、1件当たりのコストは減少」していくものです。
もちろん人件費は、修理件数が圧倒的に増えたら人数を増やさなければならないでしょうが、現状は手が回らないほど修理件数が多いという羨ましい修理店さんは少なく、大半の修理店さんでは固定費と考えてよいのではないでしょうか。
広告宣伝費は、修理チェーンによって考え方も違いますので一概には言えませんが、修理件数が増えると、それなりに認知も高まっていくので、コスト効率が良くなるのが普通です。
しかし1の「修理部材の仕入コスト」だけは、修理件数に比例してコストが発生します。
「修理件数=修理部材の購入数が多いほど仕入は安くなるんじゃないの?」と思われた方もおられるかもしれませんが、実際にはそこまで大きくは変わりません。iPhoneの修理部材はグローバルで大量に流通しているものなので、日本の修理チェーンが調達するボリュームは全体から見るとさほど大きくありません。
iCrackedは日本以外でも修理をしていますので、日本のみで修理しているチェーン店と比べると仕入れる量は多いと思いますが、それでも大幅に安くなるというわけではありません。もちろん多少は安くなりますし、安定して調達できるメリットもあります。また、調達ボリュームが小さい業者さんだと現地で直接仕入れることは困難なので、中間業者から少し割高で仕入れることになります。しかし大手だからといって「同じ部材が半額になる」というわけではありません。
それでも、各社のホームページに記載されている修理料金には大きな差がありますよね。
修理料金に差があるのは、使用している修理部材が違うからです!
iPhoneの修理部材について
iCrackedをはじめ、修理業者が行っているのは、不具合のある部材を良品に取り換える「交換修理」が中心です。
一番多いのは割れた画面の交換ですね。その時、交換に使用する画面は修理業者によって異なります。
Apple純正部品?!
いくつかの修理屋さんのホームページで
- iPhone 6 画面交換 8,800円
- iPhone 6 画面交換(Apple純正部品) 17,800円
のように、修理料金が2つあり「Apple純正」などと書かれた方が高くなっているのをご覧になったかもしれません。
Appleさんが卸しているわけでもない時点で「Apple純正」と書いてよいのか疑問はありますし、実際の部品の中身からしても「Apple純正」と書くのはやや問題があると思いますが、まずはそのあたりからご説明します。
Appleさんなどの端末メーカーは、多数の部品メーカーから様々な部品を調達して組み立てています。その中で一部の部品メーカーからiPhoneに使用しているものと同一部品が他へ流れているケースもあります。ただ、iPhoneの画面に関して言えば、修理業者が使用しているのは「iPhoneについていた液晶パネルの再生品」であることが多いです。
iPhoneを落として画面が割れた場合でも、液晶パネルは無事で表面のガラスだけが割れていることが少なくありません。この液晶パネルからガラスをきれいに剥がし、新しいガラスを貼って再生するのです。液晶パネルは厳密には新品ではありませんが、液晶の寿命から考えると再利用には問題ありません。
もともとiPhoneについていたApple純正の液晶パネルを使用しているので「Apple純正部品」と記載しているのですね。完全に嘘というわけではありませんが、ガラスは別物ですし、iPhoneについていた部品とは異なる業者が貼り合わせたものですから、「純正部品」と書いてしまってはいけないと思います。
とはいえ、同じ液晶パネルやタッチセンサーなわけですから、色合いやタッチ反応は純正品と同水準の品質です。
ただし、再生をおこなっている業者は多数あり、品質にもばらつきがあります。品質の低いものだとガラスの接着が甘く、使っているうちにガラスが浮いて剥がれてくるものもがあります。ちなみに、液晶パネルの裏側にあるケーブルやコネクタはiPhoneから取り外したままの、もともとの部品が使われているケースが大半です。
コピー部品
iPhoneと同じサイズ、解像度ですが、まったく別物の液晶パネルを使った交換部品です。タッチセンサーやケーブル、コネクタなど全てコピー品を組み立てた交換部品ですね。「コピー品」では印象が悪いのであれば「互換品」でもよいと思います(笑)
このコピー部品は、使用している液晶パネルもケーブル類も様々で、品質も値段もピンキリです!
再生品と比べると半額とか、安いものだと3分の1くらいの値段で調達できますので、当然修理料金も大幅に安くできます。
コピー部品でも品質の高いものはあります。(ただし、品質の高いものは仕入コストもそれなりに高くなります。)
そして、仕入値が安いコピー部品は、確実に品質も悪いです!
- 液晶の発色が悪い、色むらがある。
- タッチの反応が悪い。
- ホームボタンがぴったりはまらない。(ボタンを押すと微妙に横ズレする)
など、使用していて明らかに違和感を感じるものもありますし、すぐには気づかない部分にも問題が隠れています。
- コネクタの作りが甘い。(iPhoneの基板にしっかりと接続できない)
- ケーブルの耐久性が低い。
- フロントカメラを固定する部品が欠落している。
コネクタやケーブルに粗悪品を使用すると、修理した直後は問題なくても使っているうちにちょっとした衝撃などで液晶に何も表示されなくなったりします。実際にiCracked Storeにも「他店で画面交換をしたけど2か月で何も映らなくなった」というようなお客さまがたまにお見えになります。
フロントカメラを固定する部品がない画面を使っている業者さんがいたことにも驚きました。iPhoneをぶつけたらフロントカメラがずれて写真の半分くらいが真っ黒になってしまいそうです(笑)
修理店を選ぶ際に注意すべきこと
iPhoneの修理を検討されているみなさんに知っておいていただきたいことは
修理料金の違いは、ほぼ使用する部材コスト=部材品質の違い
ということです。
私たちはこれまで色々な修理部品を調査してきましたが、修理部材については確実に「安かろう、悪かろう」だと言えます。
残念ながら、「高品質なのに、安い」というものには未だ出会ったことがありません。
とはいえ、みなさんの中には、「今のiPhoneをずっと使い続けるわけではないから、できるだけ安いほうがいい」という方もおられるでしょうから、安いものを全て否定するわけではありません。
安さ重視であれば「ケーブルやコネクタに粗悪品を使っていない修理屋さんを選ぶ」ということが重要だと思います。
液晶の色合いやタッチ反応性などはあまり気にならない人もいます。しかしケーブルやコネクタの品質が悪いと、画面が急につかなくなるなどの不具合が発生する確率が高くなります。再修理になると、かえって高くついてしまいます。
みなさんが「ケーブルやコネクタが粗悪品かどうか」を見極めるには、インターネットの口コミを確認するしかありません。
「画面交換したけど、○ヶ月で何も映らなくなった!」というような情報が散見されるようでしたら、その修理店は避けたほうがよいでしょう。あとは、修理店の保証制度で期間と対象となる条件がしっかり明記されている修理店の方が安心です。
「今のiPhoneを修理して、当分は使い続けたい」とお考えであれば、極端に安い修理は素直にやめた方がよいです。
「修理部材は安かろう、悪かろう」の法則です!
iCrackedの修理部材
iCrackedの修理料金は他社より若干高いかもしれませんが、その分、修理部材の選定には妥協していません。
(高めとはいっても、品質と価格のバランスでは、けっして悪くないですよ!)
私たちが調達する交換画面は専門業者で全品チェックするだけでなく、製造ラインに監視システムを導入し「いつ誰が製造したか」をトレースできるようにしています。検品で不良品が見つかった場合などにも、すぐに適切な対応を行い品質を維持するためです。製造ラインまで踏み込んで品質管理ができるのも、グローバルで展開しているiCrackedの強みといえます。