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スマホ修理と防水性能の真実
コラム 最終更新日: 掲載日:
目次

「修理後の防水は大丈夫ですか?」

お客様からよくいただく質問ですが、これまでiCrackedでは次のようにお答えしてきました。
「iCrackedではできるだけ防水性能が維持されるように作業しますが、修理後の防水性能はお約束できません」

iPhoneもAndroidも、ここ最近発売されているモデルの多くは「IPX8」という非常に高い防水性能を持っています。しかし一方でメーカー各社は「水濡れによる故障はメーカー保証(無償修理)の対象外」としています。言い換えると「メーカーは水に濡れても壊れないことは保証してくれない」ということです。

これはなぜかというと
「スマートフォンの防水性能は経年劣化や使用状況により低下していく」からです。

① 防水加工の経年劣化

スマートフォンにはスピーカー、マイク、充電ポートなどの多くの「穴」があります。浸水しないようにシール類で防水加工がされていますが、これらは使用しているうちに劣化していき防水性能が低下します。

② 本体のダメージや歪み

スマートフォンの本体と画面や背面パネルはシールで圧着させることで浸水を防いでいますが、落下の衝撃や使い方が悪いとフレームが歪んでしまい、本体と画面の間に隙間ができてしまいます。また、バッテリーが劣化して膨張することで画面が浮いてしまうこともあります。このような状態になると防水性能は完全に失われます。

③ 非正規店での修理やバッテリー交換

街中の非正規店の多くは防水対策をしていないか不十分なため、修理やバッテリー交換を行うと防水性能が低下してしまいます。

iCrackedにお持ちいただいた時点で防水性能がしっかりあるかどうかもわかりません。また、残念ながら私たちの修理で防水性能が低下する可能性がないと断言することもできません。そのためお客様には防水性能は保証できないことをきちんとお伝えし、同意をいただいてから修理を行っていました。

「お約束できないからといって何もしていないわけではありません。」

初めて防水性能を謳ったiPhone 7が発売されたときから、防水検査機を導入してどうすれば防水性能が高まるかを研究してきました。iCrackedの修理では防水性能を維持するために当然のこととして、画面や背面と本体を接着するためのシールをきれいに剥がし、新しいシールを貼り直します。しかしシールを貼り直せば防水性能が得られるというものではありません。一部のメーカー製品については我々が修理した端末をメーカーの工場に持ち込み、防水検査を繰り返し行い性能維持のためのプロセス改善も行ってきました。

現在、iCrackedでは防水性能を高めるため、全店に専用の治具とプレス機を配備してしっかり圧着される処理を行います。
iCrackedほど防水性能を高めるために努力をしている修理店はないと思います。しかし、それでも「修理後の防水性能をお約束すること」はできないものなのです。

他の修理店はどうか?

シールを貼り直さない修理店も
少なくありません!

画面を外すとそれまでついていたシールはボロボロになり接着力はなくなります。本来は古いシールをきれいに剥がし、新しいシールを貼り直す必要があるのですが、時間もコストもかかるため省略して古いシールのまま画面を取り付けている修理店が少なくありません。

これだと防水性能は完全に失われてしまいます。

「防水シール」と名付けて、シールの貼り直しを有料で行う修理店もあります!

修理店のなかには、「防水シールをつけますか?」と有料でシールを貼り直すサービス(?)を提供しているところもあります。

iCrackedではこれまで修理後の防水検査を何回も行って研究してきたからこそ言えるのですが、シールを貼り直して手で押さえる程度では防水性能は保つことができません。市販されている本体と画面を挟んで固定するクランプなども、防水性能の維持には効果がないことを確認しています。そのため私たちは治具やプレス機を開発して全店に配備してきたのです。

iCrackedは「修理は可能な限り元の状態に戻すべき」と考えています。画面を外したらシールはボロボロになるのだから、新しいシールを貼り直すのはごく当たり前のことです。

しかしそのやるべき作業を省略するだけでなく、あたかも防水性能が得られるとお客様に誤認させるように「防水シール」、「防水パッキン」などと勝手に名前をつけて追加料金を請求している修理店が多く存在しています。

ちなみにApple、Google、SHARP、モトローラ・・・iCrackedが純正部品の取り扱いをさせていただいているメーカーで、これらシール類を「防水シール」と呼んでいるところは一つもありません。

全店で防水検査を始めます!

いくらきれいにシールを貼っても、どれだけしっかりプレスしても、検査をしなければ修理後の防水性能は確認できません。
これまでも他店よりしっかり対策している自負はあっても「防水性能はお約束できません」としかご説明してきませんでした。

そこでiCracked Store全店に
防水検査機を配備しました!

大手メーカーと共同開発したもので、メーカー工場での防水検査と同等レベルの測定が可能です。

しかし残念ながらなんでもお約束できるようになるわけではありません。

✓「修理後の防水性能は大丈夫」という
お約束はできません。

修理前からスピーカーや充電ポートなどの防水加工が劣化していたり、フレームにダメージがあり防水性能が損なわれていることがあります。我々が修理で触らない箇所に漏れがある場合は、修理後も防水性能が復活することはありません。

✓「修理後もずっと防水性能が維持されること」もお約束できません。

それはスマホの防水性能は経年劣化や落下などで悪化していくからです。防水検査を行って確認できるのは「その時点の防水性能」です。その後もずっと持続するとは限りません。

「修理により防水性能が低下
していないこと」を確認します!

修理前と修理後に防水検査を行い、修理前の防水性能が修理後も維持できていることを確認します。もしも修理後に低下していた場合は改善を試みます。

しかしながら端末の状態によっては分解工程でどうしても防水性能の低下が避けられず改善できない場合があります。修理により防水性能が低下してしまい改善できない場合は所定の補償額を修理代金から減額させていただきます。

対象となるのはIPX7以上の機種で
「純正部品のみを使用した修理」および「iPhoneの互換バッテリー交換」です。

iPhoneの互換部品(ディスプレイなど)については純正部品と比較すると寸法精度で若干のバラつきがある可能性が否定できないため防水性能の維持をお約束することができません。そのためiPhoneの互換部品を使用した修理は「バッテリー交換のみ」が防水低下時の補償の対象となります。

なお、iPhoneの「バッテリー交換のみ」も、過去に他の修理店で交換した互換ディスプレイが取り付けられている場合は補償の対象外とさせていただきます。これは互換ディスプレイの品質がバラバラで、接着剤による貼り付けが弱く画面を取り外す際に枠などが剥がれてしまう品質の低い部品も少なくないからです。

このように、全てについて防水性能の維持をお約束できるわけではありませんが、補償対象外の修理であってもシールの貼り直しやプレス機での圧着はしっかり行い、可能な限り防水性能を維持できるよう修理します!

iCrackedはこれからも、誠実に修理品質を高めるための努力を続けていきます。